愛の雫
「凪兄は、すぐそういう事言うからダメなんじゃん?」


「え?」


ついムカついてしまって、不思議そうな表情を見せた凪兄をキッと睨む。


「だからあたしがイライラして、喧嘩になるの!」


「じゃあ、希咲は短気過ぎる性格を直さないとな」


「あたしの事は放っといて!」


強く言い返すと、凪兄が小さく吹き出した。


「なっ、何なの……!?」


バツが悪いような気持ちになったあたしは、ぶっきらぼうに訊きながら彼から視線を逸らした。


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