愛の雫
「……き?希咲ってば!」


「えっ?」


課題のプリントを呆然と見つめていたあたしは、絵里香の声にハッとして顔を上げた。


「あたしの話、ちゃんと聞いてる?」


「えっ?あっ、ごめん……。何だっけ?」


「もぉ〜!またぁ!?希咲って、すぐどっかに飛んじゃうよね〜!」


控えめに訊き返すと、絵里香は不機嫌そうに頬を膨らませた。


「ごめん……。ちょっと寝不足で……」


あたしが小さく言い訳を並べると、彼女がため息混じりに眉を寄せた。


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