愛の雫
「なっ、何……?」


その声の大きさに驚いたあたしは、動揺しながらも朋子を見た。


朋子が大声を出す事なんて滅多に無いし、もしかしたら彼女がこんなにも声を上げたのを聞いたのは初めてだったかもしれない。


頭の片隅でそんな事を考えていると、朋子が小さな笑みを浮かべた。


「もうすぐバイトじゃなかった?今日って、ちょっとだけ早く行かないといけないって言ってたよね?」


え……?


朋子の言葉に、思わず小首を傾げてしまいそうになった。


だけど…


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