愛の雫
「泰人、時間ないんだから早くしてよ!」


頭上から聞こえて来た声が、あたしを更なる恐怖に陥(オトシイ)れる。


恐る恐る目を開けようとした時、睫毛に付いていた液体が流れ込んで痛みが走り、咄嗟にまた目を閉じた。


その瞬間、スキニーデニムのボタンに手を掛けられて…


もう身を捩る事も出来なくなる程、全身が強張ってしまった。


助けて……


助けて、凪兄……


「……っ!!いやぁぁぁっっ!!!」


あたしは、無意識のうちに悲鳴を上げていた。


< 470 / 830 >

この作品をシェア

pagetop