愛の雫
「朋子も見ててあげてよ!」


信じられない言葉を発した絵里香は、朋子に向かってニッコリと微笑んだ。


朋子はすぐにこの状況を理解したみたいで、全身が震えている。


「ほら、早く入って」


言葉を失った朋子の肩に、金髪の男が手を掛けた時…


「……っ、触らないでっ!!」


彼女は持っていたバッグを投げるようにして男にぶつけ、そのまま部屋を飛び出した。


「いっ、てぇっ……!」


飛び散ったバッグの中身が、金髪の男の顔と体に当たって落ちた。


< 476 / 830 >

この作品をシェア

pagetop