愛の雫
泰人達の事を知り合いの警察官に託(タク)すと言った店長は、あたしの事は内密にするように頼むとも言った。


「でも、やっぱり警察には……」


そんな事が出来るのか不安だったあたしは、泰人達の事を警察に告げる事をしばらくの間は拒んでいた。


だけど…


「希咲ちゃん、あたしも知ってる人だし、その人なら絶対に大丈夫だよ。だから、あたしと店長を信じて」


乃依さんに優しく諭されて、仕方なく小さく頷いた。


泰人も絵里香も金髪の男も、何も言わずに俯いていた。


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