愛の雫
「大丈夫、この店やスタッフには迷惑が掛かるような事にはならないから。それから、あそこにいる彼にもね……」


小谷さんは穏やかに言った後、心配そうに様子を窺っていた凪兄に視線を遣った。


「ただ、刑事として一つだけ言わせて貰うよ」


そう前置きした小谷さんが、凪兄に真剣な表情を向ける。


「今回は相手が凶器を持っていなかったから良かったけど、一つ間違っていたら君だって大怪我をしてたかもしれない。彼女を助ける為だったとは言え、君のした事はすごく危険だったんだよ?」


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