愛の雫
その後すぐに、店長が口を開いた。


「希咲ちゃん」


「はい」


「今日はもう上がって」


「えっ……?でも……」


「もう少ししたら交代のスタッフも来るし、大丈夫だから。何よりも、今日はゆっくり休んだ方がイイよ」


店長の気遣いに戸惑っていると、奈緒ちゃんがあたしの肩に優しく手を置いた。


「希咲ちゃん、そうさせて貰った方がイイよ。髪も濡れてるし、頬も腫れてるから……」


彼女に諭すように言われて、あたしは小さく頷く事しか出来なかった。


< 512 / 830 >

この作品をシェア

pagetop