愛の雫
あたしを抱き締めているのは、誰よりも大嫌いな人…。
あたしの居場所を奪った、最低な人…。
それなのに…
「……っ!良かった……。希咲ちゃんが無事で……本当に……本当に、良かった……」
呪文のようにそう繰り返す陽子さんを前に、あたしはこの腕を振り払う事が出来なかった。
それはきっと…
あたしを抱き締めている陽子さんの腕が、大きく震えていたから…。
呆然としながらもその事に気付いた瞬間、鼻の奥にツンとした鋭い痛みを感じた――…。
あたしの居場所を奪った、最低な人…。
それなのに…
「……っ!良かった……。希咲ちゃんが無事で……本当に……本当に、良かった……」
呪文のようにそう繰り返す陽子さんを前に、あたしはこの腕を振り払う事が出来なかった。
それはきっと…
あたしを抱き締めている陽子さんの腕が、大きく震えていたから…。
呆然としながらもその事に気付いた瞬間、鼻の奥にツンとした鋭い痛みを感じた――…。