愛の雫
乃依さんが申し訳なさそうにしているのは、あたしが陽子さんを良く思っていない事を知っているからだと思う。


だけど、店長や乃依さんの行動は当たり前の事だし、二人は何も悪くない。


「わざわざすみません……」


乃依さんに当たり障りの無い言葉を返して小さな笑みを向けると、黙って様子を見ていた店長が口を開いた。


「えっと、希咲ちゃんの……」


「あっ、お母さんです」


困ったように言葉に詰まった店長に、乃依さんがフォローするように微笑んだ。


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