愛の雫
乃依さんが答えてくれた事に、ほんの少しだけホッとしていた。


陽子さんの事を“母親”だと認めた訳じゃない。


だけど…


自分の口からその言葉を発するよりは、他の人に言って貰った方がまだマシだから…。


「店長の馬場です。あの、今回の事ですが……」


「事情は、あちらの方から伺いましたので……」


「そうですか……」


陽子さんが乃依さんを見ながら言うと、店長は呟いてから頭を深く下げた。


「この度は、本当に申し訳ありませんでした」


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