愛の雫
「はい、終わり。別に喧嘩をするなとは言わないけど、程々にしときなさいね……」


「……はい」


看護師に諭すように言われた凪兄は、真剣な表情で頭を下げた。


その姿に、また胸の奥が痛む。


悪いのは凪兄じゃないのに、あたしを庇う為に頭を下げてばかりいる彼を見ていると、悔しくて堪らなかった。


あたしのせいだ……


凪兄に助けて貰えた時には、確かに安堵感や嬉しさを感じていた。


だけど…


今はもう、罪悪感を抱く事しか出来なくなっていた。


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