愛の雫
「平気……」


答えを発した声が震えていたけど、必死に平静を装う。


すると、凪兄はあたしの瞳を真っ直ぐ見つめた。


「俺が一緒にいる。だから、希咲は一人じゃないよ」


その言葉に目を小さく見開いたあたしは、彼を見つめ返すだけで何も言えなかった。


「希咲の父親には俺の姉が連絡してるので、この事もすぐにちゃんと伝えます」


「そう……。じゃあ、お願いするわね」


心配そうに様子を窺っていた看護師が笑みを浮かべると、凪兄が大きく頷いた。


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