愛の雫
「手術……?」


話を聞いた奈緒ちゃんは、目を見開きながら呟いた。


凪兄が陽子さんの容態を詳しく話さなかったのは、きっとあたしの不安を煽(アオ)らない為…。


だけど…


奈緒ちゃんは、緊迫したこの雰囲気が陽子さんも赤ちゃんも危険だと物語っている事を、すぐに察したみたい。


「あたし、もう一回電話して来る!」


「あっ、電話なら俺が……」


「凪は、希咲ちゃんに付いててあげなさい」


奈緒ちゃんは、言い終わる前にこの場から離れた。


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