愛の雫
ざわつく教室の中で響く甲高い笑い声に、苛立ちが募っていく。


有無を言わせないような表情で勝手な事ばかり言って、余計な事をした絵里香にも…。


わかったような口振りで、第三者として話す繭にも…。


オロオロしながら、あたし達の顔色を窺う事しか出来ない朋子にも…。


ムカついて堪らない。


だけど…


あたしがイライラしている一番の原因は、自分自身…。


絵里香の身勝手な行動を拒否する事が出来なかった自分に、一番腹が立っていたんだ…。


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