愛の雫
ひとしきり泣いた後、陽子さんが少しだけ気まずそうに微笑んだ。


それに釣られるように、あたしからも小さな笑みが零れる。


陽子さんは、あたしとパパの事を不器用だって言ったけど…


あたしは、陽子さんだって不器用だと思う。


ねぇ、ママ……


新しい家族が二人も出来たよ……


あたしにとってママ以上の“母親”はいないけど、きっとママと同じくらいあたしとパパを大切にしてくれる人だよ……


だって……


不器用だけど、すごく優しい人だから――…


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