愛の雫
「ありがとう……」


嬉しそうに微笑んだパパは、優しい声で言った。


パパから久しぶりに笑顔を向けられて、また涙腺が緩んでしまう。


こんなにも優しいパパの声を聞いたのは、いつ振りだろう。


嬉しくて嬉しくて、胸の奥がグッと熱くなった。


口を開けば泣いてしまいそうで何も言えなくなって俯くと、あたしの頭の上にパパの優しい手が乗せられて…


「……っ!」


それがあまりにも温かかったから、我慢していた涙がまた溢れ出して、そっと零れ落ちた。


< 637 / 830 >

この作品をシェア

pagetop