愛の雫
目の前で起こった事が信じられなくて、目を大きく見開いた。
小さな手で包まれた、左手の人差し指の第一関節。
それは、“握る”って言葉には当て嵌まらないくらい弱々しい力なのに…
小さな命の力強さが、指先から全身に伝わって来る。
真っさらな命の温もりが、胸の奥にまで染み渡っていく気さえした。
それがあまりにも温かいから喉の奥や目頭が熱くなって、堪えようとした物が静かに溢れ出す。
「……っ!」
気が付くと、あたしの頬が涙で濡れていた――…。
小さな手で包まれた、左手の人差し指の第一関節。
それは、“握る”って言葉には当て嵌まらないくらい弱々しい力なのに…
小さな命の力強さが、指先から全身に伝わって来る。
真っさらな命の温もりが、胸の奥にまで染み渡っていく気さえした。
それがあまりにも温かいから喉の奥や目頭が熱くなって、堪えようとした物が静かに溢れ出す。
「……っ!」
気が付くと、あたしの頬が涙で濡れていた――…。