愛の雫
「え……?」


「さて、そろそろ上がろっか!」


目を見開いたあたしが言葉を零すのを遮るように、奈緒ちゃんが明るく笑った。


「奈緒ちゃん!今のってどういう事?」


すかさず尋ねると、彼女は困ったように笑いながら小さなため息をついた。


「それは、凪に直接訊きなよ」


「でも……」


「希咲ちゃんと凪は、もっと素直になった方がイイと思うよ?」


奈緒ちゃんは戸惑うあたしにまた意味深に言った後、苦笑を浮かべながら湯舟から出た。


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