愛の雫
いつもの味にホッとする。


さっき奈緒ちゃんが言った通り、凪兄の様子が変だって事はあたしも気付いているけど…


彼が与えてくれたこの味はやっぱり優しくて、あの違和感は気のせいだったんじゃないかと思ってしまう。


きっと何か理由があるんだって事はわかるから、凪兄の態度の真意を知りたい。


あたしが訊いたら、ちゃんと答えてくれるのかな……


せっかく近付いたあたし達の距離を少しでも離したくなくて、カラメルミルクを飲みながらそんな事ばかり考えていた――…。


< 691 / 830 >

この作品をシェア

pagetop