愛の雫
「謝らなくてイイから、これからはもうちょっとあたしに甘えてよ」


「え?」


「あたしは、甘えるのが下手な所も希咲のイイ所だと思ってるけど、いざって時に頼って貰えないのはやっぱり寂しいんだよね。だからいい加減、あたしに“甘える事”を覚えてよ」


「早苗……」


早苗の優しさに、心がじんわりと温かくなる。


「でもあたし、早苗には甘え過ぎだと思うんだけど……」


「は?どこが?」


早苗は呆れたような声を漏らした後、ため息混じりにフッと笑った。


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