愛の雫
「嘘つきっ……!」


「は?」


「マジでいい加減にして!どうしてそんなつまらない嘘つくの?」


「嘘って……。俺がいつ、嘘なんてついたんだよ!」


「今じゃん!」


「マジで何の事?ちゃんと説明してくれないと、わからないんだけど!」


少しずつ口調が荒くなる凪兄に、思い切り軽蔑の眼差しを向ける。


「嘘つきと話してても仕方ないから、もうイイよ……」


「希咲」


すると、凪兄はあたしを射るような鋭い表情を見せた。


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