愛の雫
「そんなの、やってみなきゃわからないじゃん!その隠し味って何?今から作るから教えてよ!」


言い終わる前に立ち上がって、キッチンにいる凪兄の所に歩み寄る。


「何だと思う?」


「知らない」


ぶっきらぼうにツンと答えたあたしは、凪兄の隣に並んだ。


「隠し味って、何?」


また同じ事を訊くと、彼はどこか困ったように微笑んだ後、鍋の中身をマグカップに注いだ。


そして、凪兄はそれをあたしに差し出しながらフワリと笑い、ゆっくりと口を開いた。


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