愛の雫
「“愛”だよ」


「は?」


自分でも驚く程マヌケな声を漏らしたあたしは、凪兄を見つめたままキョトンとしてしまった。


「まぁ俺も、この答えだけは最期まで教えて貰えなかったから、絶対とは言えないんだけど……。でも……」


彼はいつもの優しい表情を見せ、あたしの手にマグカップを持たせた。


「『希咲が元気になりますように』、『希咲が笑顔になりますように』、『希咲がいつも笑っていてくれますように』……。俺はいつもそんな事ばかり願いながら、これを作ってたんだ」


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