愛の雫
「どうしよっかなぁ……」
ポソッと呟いた言葉は冷たい空気に包まれて消えるだけで、肝心の解決策は一向に浮かんで来ない。
寒さでジンジンと痛む耳のせいで、雑踏が欝陶しくて堪らない。
ため息をつきながら立ち止まって、目の前に見えた駅から逃げ出すように踵を返した。
その瞬間…
「希咲?」
聞き覚えのある声に、名前を呼ばれた。
「凪兄(ナギニイ)……」
思わず振り返ってしまったあたしは、反射的に彼の名前を呟いていた。
ポソッと呟いた言葉は冷たい空気に包まれて消えるだけで、肝心の解決策は一向に浮かんで来ない。
寒さでジンジンと痛む耳のせいで、雑踏が欝陶しくて堪らない。
ため息をつきながら立ち止まって、目の前に見えた駅から逃げ出すように踵を返した。
その瞬間…
「希咲?」
聞き覚えのある声に、名前を呼ばれた。
「凪兄(ナギニイ)……」
思わず振り返ってしまったあたしは、反射的に彼の名前を呟いていた。