愛の雫
そんなあたしの言葉にも、陽子さんは相変わらず笑顔を見せる。


だけど…


その表情はすごく自然な感じがして、今までみたいに不安や戸惑いを隠す素振りも無い。


陽子さんはあの時以来、不器用なあたしの扱い方がわかったみたいで、上手に接してくれている。


「朝ご飯、食べましょ?希咲ちゃんの好きなスクランブルエッグもあるのよ」


ニッコリと笑った陽子さんが、階段を降り始めた。


あたしは何とも言えない気持ちになりながら、陽子さんに続いてリビングに行った。


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