愛の雫
「えっ!?やだっ、どうしよう……」


子供みたいに狼狽える陽子さんに呆れ返って、小さなため息が漏れる。


少し前にバイトに復帰したあたしは、相変わらず家にいる時間が短いけど…


「……冗談だよ。てか、そんなに簡単に太らないから」


それでも、ほんの少しずつ“家族”に近付いていっていると思う。


「良かった……」


安堵の言葉を零して心底ホッとしたように笑った陽子さんにチラッと視線を送った後、必要以上に甘ったるいカラメルミルクをもう一口飲んだ。


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