愛の雫
陽子さんは、いつの間にか凪兄からカラメルミルクの作り方を教わっていたらしくて…


毎朝これを作っては、あたしに出して来る。


甘かったり苦かったりする味に文句を言いながらも全部飲むのは、それを嬉しいと感じているからなのかもしれない。


そんな事は、口が裂けても言えないけど…。


「希咲ちゃん?どうかした?」


「別に……。どうでもイイけど、これならあたしが作ったやつの方がマシだからね」


眉を寄せて憎まれ口を叩いたのに、陽子さんは何故か幸せそうに笑った。


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