愛の雫
真剣に話す凪兄を見つめていたあたしの胸の奥が甘く軋んで、幸せだと告げるようにキュンと鳴いた。


「だから俺は、せめて希咲が一番幸せだと思える“居場所”を作れるように頑張るよ」


やっぱり素直になれないあたしは、フワリと笑ってあたしの手を握った彼に対して、絶対に『嬉しい』なんて言えない。


だから代わりに、繋いだ手をギュッと握り返した。


それを合図にしたかのように、優しく微笑む凪兄の顔が降りて来て…


たくさんの星が輝く夜空の下、あたし達はそっとキスを交わした――…。





             END.


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