愛の雫
泰人との事があってから、凪兄は前よりも説教染みた事ばかり口にするようになった。


おまけにお互いの高校が近いせいで、最近は登下校まで一緒にするハメになっている。


凪兄の目を盗んで夜中に家を抜け出そうとした時には、何故かいつもバレてしまっていて…


家の前に立っていた彼に、寒空の下で散々怒られた。


親よりも厳しい凪兄の監視からは、中々逃れられない。


そのせいで最近は逃げる事も面倒臭くなってしまって、心のどこかで諦めを感じている自分(アタシ)がいた。


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