愛の雫
「希咲、眉間にシワ寄ってるよ。てか、百面相?」


「えっ!?嘘!?」


慌てて両手で額を隠すと、早苗が悪戯っぽく笑ってから微笑んだ。


「せっかく元カレの事が解決したんだから、もっと嬉しそうにしなよ!また何かあったら、いつでも話聞くからさ」


「うん、ありがと……」


あたしはそう言って、小さく笑った。


冬の風が、カーテンに隠された窓を小刻みに揺らす。


カタカタと鳴る窓の音に包まれて、ほんの少しだけ不安を抱きながら眠りに就いた――…。


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