わたしの、センセ
―さくらside―

「おはよー」

月曜日の朝礼、センセが出席簿を持って教卓の前に立った

珍しくセンセは少し眠たそうな目をしている

欠伸をしたそうな顔をしたセンセは、奥歯を噛みしめていた

「センセ、土曜のデートはどうだった?」

え?

わたしはびっくりして顔をあげる

質問した子を探すと、その子の横顔をじっと見つめた

なんで知ってるの?

センセ、いつ言ったの?

「そうだよー。まッちゃん、昨日部活サボるんだもーん。聞けなかったじゃん」

他の子も、センセに口を開く

テニス部の子?

じゃあ…センセは土曜日にデートするって話したの?

「楽しかったよ」

センセがにこっと笑う

「ズルイよねー。センセのくせに、次の日の部活、サボっちゃうんだから」

「サボってないでしょ。ちゃんと用事があるって言いに行っただろ」

センセが、さらった答える

あ…そっか

わたしが家を飛び出したから、部活には出ないで探してくれたんだね

ごめんなさい

また、センセに迷惑かけちゃった

わたしって、センセに迷惑ばかりかけちゃうね

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