わたしの、センセ
小声で話をしている事務の先生の言葉を聞いて、センセの顔色がスッと青くなった

眉間に皺を寄せて、ごくりと生唾を飲み込むのがわかる

『わかりました。すぐに行きます』と口が動くのがわかった

事務の先生が静かに戸を閉めると、センセも教卓に戻った

「センセ、どうしたの?」

他のクラスメートが、不思議そうに質問をすると、センセがぎこちない笑みを作った

「これで、朝礼は終わりな。それと今日の僕の授業は、自習にするから」

センセが視点の定まらない動揺した目で、出席簿を筆記用具を纏めると小脇に抱えて、そそくさと廊下に出て行った

「まっちゃん、どうしたんだろうねえ」

事情のわからないクラスメートたちが、口々にセンセを心配する言葉が聞こえてきた

本当に…センセ、どうしちゃったの?

顔が真っ青だった

もしかして…もう道隆さんが動いた…とか?

昨日の今日だよ

そんな…馬鹿な

でも…どうなんだろう

わかんない

何が起きているのか、わからないから…わたしはどうしたらいいのか

センセ、何があったんですか?

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