わたしの、センセ
―さくらside―

家に帰ると、わたしの部屋に郵便物があった

小さな箱

送り主の名前は書いてなかったけど、すぐにわかった

センセからだ

携帯を送ったって、別れ際に言ってた

わたしは部屋のドアがしっかりと閉まっているのを確認してから、郵便物の箱を開けた

中には赤い携帯を入っていた

センセとおそろいの携帯

センセとわたしだけの…繋がり

わたしは携帯をぎゅっと抱きしめると、頬に冷たい携帯を押し付けた

センセ、大切にするね

もう…センセに迷惑をかけないから

センセへの想いは、隠して生きていく

好きだけど…ううん、好きだからこそ、わたしはセンセを諦める

これ以上、センセを傷つけたくないの

道隆さんなんかに、センセの生活を壊してもらいたくない

そのためなら、わたし…負けないからね

どんなことだって耐えてみせるから

センセ、好きです

さよなら…センセ

< 139 / 176 >

この作品をシェア

pagetop