わたしの、センセ
『パパ、わたし…道隆さんと結婚します。学校は退学する。いいでしょ?』

わたしはパパにメールをした

『学校はすぐに手続きをする。式場も押さえるから、日本に帰り次第、新居を用意しよう』

パパからすぐに返事がきた

珍しい

わたしからパパにメールするのも、珍しいけど

パパがすぐに返事をしてくれるのも、珍しい

きっとそれだけ嬉しいメールだったんだろうね

パパにとって、事業が拡大できるかもしれないビックチャンスだもの

わたしにとったら、苦痛の何物でもないけど

でもね、センセが平穏無事に生きていけるのなら…少しの苦痛も我慢できるかな?って思えるの

センセはわたしがいなくても、真央さんっていう綺麗な人がいるもの

きっと大丈夫

センセが、幸せになれるなら…たとえ一緒になれなくてもわたしは生きていけるよ

わたしが目頭が熱くなる

泣いちゃだめ

泣いたら、辛くなる

そう思っても、涙が次から次へとこぼれ出した

止まらない熱い液体をティッシュで吸い取っては、わたしはゴミ箱に捨てていく

「センセぇ」

わたしは赤い携帯を握りしめると、センセの笑顔を思い出しながら、涙を流した

やっぱり…センセと離れたくないよぉ

センセともっと愛し合いたいよ

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