わたしの、センセ
―さくらside―

わたしはパパの仕事のパーティを終えて帰ってくるなり、執事に抱えられながら、自分の部屋に戻った

身体が熱くて、何もしていないのに息があがる

鼓動も早くて、呼吸が浅い

顔が火照って、頭がガンガンと痛みを訴えてた

部屋に戻って、ベッドに横にさせてもらうと、わたしは「ふう」と息を吐き出した

終わった…

今日がやっと終わった

重い瞼を閉じようとすると、頭上でママの甲高い声が聞こえてきた

「あなたっ、さくらを連れまわすなんて何を考えてるんです! 明日から学校だって言うのに」

「学校なんて休めばいいだろ。あんなところに、無理して行く必要なんてないんだ」

パパもママに反抗するように怒鳴り声をあげる

やめてよ

わたしの部屋で…煩くしないで

「出席日数が足りなくて、卒業できなかったらどうするんですか」

「そんなもん金でどうにかなるだろ。さくらには一流の家庭教師がついて、きちんと勉強してる。学校の試験の結果だって、学年で3位以内に入ってるだろ」

「お金、お金って…」

ママが呆れた声をあげた

「ワル餓鬼がそのまま成長したような男が担任なんて。学校なんて行かなくていいんだ」

わたしは行きたい

松浦先生、嫌いじゃないよ

優しくて温かい話し方がほっとする人だったもの

きっと性格も優しくて温かい人なんだ
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