わたしの、センセ
「それにな…今夜のパーティには、イギリスから道隆君が来てくれたんだ。さくらを連れて行かないわけにはいかないだろ」
みちたか……わたしの婚約者、らしい
パパが勝手に決めたわたしの結婚相手
仕事上の付き合いがあるから…だと思うけど
わたしは嫌だ
あの人はパパと同じにおいがして、好きになれない
闘争心のありすぎる男って好きじゃない
仕事に熱中しすぎて、家庭を振りかえらなそうだもん
お金のある男は基本的に嫌いよ
お金がなくても、わたしと一緒にいてくれる人がいい
寂しい気持ちを、察してくれて、傍に寄り添ってくれる人がいい
「あら、道隆君が? 珍しいわね」
ママの声のトーンが一気に跳ね上がった
「明日の仕事で会えるかしら?」
ママが嬉しそうな声でそうつぶやくと、スリッパをパタパタと鳴らしながらわたしの部屋を出て行った
パパもママのあとを追うように、退出した
わたしは部屋に誰もいなくなったの確認してから、身体を起こした
やっと一人になれた
棚の上に置いてある体温計を脇に挟んで、体温を調べた
電子音が鳴ってから、わたしは体温計の液晶を見つめた
「38,5度か…明日にはさがるかな?」
わたしはベッドに倒れ込むように、枕に頭を埋めた
始業式、行きたいよ
休みたくない
松浦先生に会いたいな
『明日、葉月さんに会えるのを楽しみにしているよ』
松浦先生の声を、脳内で蘇らせた
わたしもです
先生に会えるのが楽しみ
だけどこの熱がさがらないと…きっと学校には行けません
熱が出てても、学校に行きたいって思ったのは初めてなんですよ、松浦先生
松浦先生が初めてです
わたしは、今日見たばかりの松浦先生の顔を瞼の裏で再現しながら眠りについた
みちたか……わたしの婚約者、らしい
パパが勝手に決めたわたしの結婚相手
仕事上の付き合いがあるから…だと思うけど
わたしは嫌だ
あの人はパパと同じにおいがして、好きになれない
闘争心のありすぎる男って好きじゃない
仕事に熱中しすぎて、家庭を振りかえらなそうだもん
お金のある男は基本的に嫌いよ
お金がなくても、わたしと一緒にいてくれる人がいい
寂しい気持ちを、察してくれて、傍に寄り添ってくれる人がいい
「あら、道隆君が? 珍しいわね」
ママの声のトーンが一気に跳ね上がった
「明日の仕事で会えるかしら?」
ママが嬉しそうな声でそうつぶやくと、スリッパをパタパタと鳴らしながらわたしの部屋を出て行った
パパもママのあとを追うように、退出した
わたしは部屋に誰もいなくなったの確認してから、身体を起こした
やっと一人になれた
棚の上に置いてある体温計を脇に挟んで、体温を調べた
電子音が鳴ってから、わたしは体温計の液晶を見つめた
「38,5度か…明日にはさがるかな?」
わたしはベッドに倒れ込むように、枕に頭を埋めた
始業式、行きたいよ
休みたくない
松浦先生に会いたいな
『明日、葉月さんに会えるのを楽しみにしているよ』
松浦先生の声を、脳内で蘇らせた
わたしもです
先生に会えるのが楽しみ
だけどこの熱がさがらないと…きっと学校には行けません
熱が出てても、学校に行きたいって思ったのは初めてなんですよ、松浦先生
松浦先生が初めてです
わたしは、今日見たばかりの松浦先生の顔を瞼の裏で再現しながら眠りについた