わたしの、センセ
-悠真side-

一日、葉月さんからのメールの返事を待ってみたけど、とうとう放課後になってもメールを受信することはなかった

一方的なメールといえば、一方的な内容で、返事を期待するほうが間違っているのかもしれない

だけど僕は、返事を期待してた

葉月さんから、メールがくるのを待ってた

僕は仕事を終えて、帰ってくると、アパートの階段をのぼりながら、またセンターに問い合わせて、メールの受信を確認をする

センターにもナシか

馬鹿だな…僕は何を期待しているのか

真央と別れて、独りになったからって、生徒との恋を許されるわけじゃないのに

日に日に、葉月さんへの想いが強くなっていく自分に、僕は自分自身がちょっと怖かった

どうやっても止められない気持ちってあるのだと、身をもって知った

どうやったら、この気持ちを落ちつけさせるのか

僕には、答えが見つからない

真央のときとは違う身体の奥の熱さが、時に心地よく、時に痛くて苦しくなる

真央のときもドキドキはした

真央と付き合えたら、きっとより楽しい生活になると信じてた

実際に楽しかったし、たくさん笑った

つらい時期も、真央がいたから乗り越えられた

葉月さんを見ると、無性に抱きしめたくなる

僕の両手で抱きしめて、温めてあげたいって気になる

守ってあげたい、幸せにしたい

彼女を笑顔にしたい

真央とは違う温かい感情が、僕を包み…そして葉月さんに向けたくなる

でも葉月さんは?

僕をどう思っているのだろう?

今の葉月さんの気持ちを知りたいよ
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