わたしの、センセ
『センセとメールしていいんですか? ご迷惑じゃないんでしょうか?』

センセからの返事は3分も待たなかった

『僕がさくらとメールがしたいんだよ。みんなには内緒な。バレたら、僕のクビが飛ぶ』

センセのメールに、わたしは思わず顔が緩んでしまう

ベッドに横になると、うつ伏せでメールの返事を打った

『もちろん、誰にも言いませんよ。センセとの大切な時間を壊したくありません』

『婚約者とはどうなったの?』

センセのメールに、わたしはびっくりした

センセから、聞いてくるとは思わなかったから…たぶん教師として、気になったのかな?

わたしが嫌がっているのを知っているから、心配してくれたんだね

『会ってません。だけど近々、会うかもしれません。パパが凄く怒ってたから』

センセは?

恋人とはうまくいってるんですか?

ウワサでは、別れたって聞きました…ってメールで打てたらどんなにいいんだろう

わたしは生徒だから、センセの恋愛事情まで聞けないよ

聞いて、嫌われたら嫌だし

あれ? 嫌って欲しいって、センセに言っておきながら、わたし、センセに嫌われたくないって思ってる

矛盾してるね

わたしって我がままね

『会うなよ』

センセからの返事はたった一言だけだった

え? センセ……会うなって、どういうことですか?

わたしの胸がドキンと反応する

もしかして、それって…センセが少しはわたしを女として見ていてくれてるの?

『ごめん。さくらを困らせたかな? 僕的には会って欲しくない』

続けてセンセからメールが届いた

わたしは携帯をぎゅっと握りしめて、嬉しくて顔が緩んだ

わたし、絶対に道隆さんには会いません
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