わたしの、センセ
センセがわたしの不安に気づいてくれたのか

わたしの頭をポンポンと優しくタッチすると、柔らかい笑みを見せてくれる

わたしの頬をそっと触れると、センセがわたしの唇にキスをした

そっとわたしの下唇を噛んだセンセは、すごく近い距離で、わたしに勝気な瞳を向けた

「大丈夫。必ず、成功する」

「センセ…」

わたしは目頭が熱くなって、じわっと涙が出てくるとセンセに抱きついていた

センセはわたしの背中を撫でると、髪にキスを落とした

「さくらの婚約者がいなくなったって…堂々と付き合えるわけじゃないのにな。でもやっぱり婚約破棄になるのは嬉しいよ」

センセはぐっとわたしの腰を掴むと、小さな声で呟いた

センセ…

わたし、センセに聞きたいことはあるんです

センセは、駅前でキスをしていた女性とはどうなってるんですか?

わたし…聞いてもいいんでしょうか?

センセに質問しても、嫌われませんか?

怖くて、聞けないんです

センセに、キスしてもらっても…抱きしめてもらっても…どこか不安で

付き合ってるのか、どうかわからなくなります

センセ、センセの恋人はわたしでいいんですか?

それとも、駅前でキスをしていた女性がセンセの恋人ですか?

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