わたしの、センセ
なんて、人なの

携帯と同時に家にも電話をしてくるなんて、何を考えているのよ

怖い

わたしはベッドに座ると、枕の下にある携帯を確認する

電話のコールはもうおさまっており、不在着信の表示に切り替わっていた

良かった

携帯のほうも諦めてくれたんだ

わたしはメールを開く

センセから返事がきてる

『じゃ、今度の土曜日。17時に仕事が終わるから、それから少し会おうか?』

少しだけ?

今度の土曜日

わたしは携帯を持ったまま、カレンダーの前に立った

ピンクと青いラインが、土曜日の下に引いてあった

それはパパもママも、家にいないという印だ

海外出張で、二人とも家を開けている日

わたしは携帯に目を落とすと、ボタンを押す

『週末は両親が家に居ません。もっとセンセと一緒に過ごしたいです。朝までは…駄目ですか?』

送信ボタンを押した後に、センセには彼女がいるのをハッと思い出した

わたし、我儘過ぎだ

センセが困るだけ

ううん、もしかしたら…彼女と朝まで過ごすのかもしれないのに

わたしったら、勘違いもいいところだわ

『ごめんなさい。我儘…ですよね。今のメール、忘れてください』

わたしは慌ててセンセに送信する

送信しました、という表示と共に、センセからの返事も届いた

あ……どうしよう

なんて返事が…来てるんだろう

< 94 / 176 >

この作品をシェア

pagetop