罪人の恋【短編】
そして

少年はあることに気づいた

「ガス……バルブがっ……開いてる……ゲホッ」

そう

この刑務所の全部屋にある

昔、毒ガスを入れるために使われていたガスバルブが開いていたのだ

「じゃあっ……ガフッ……この部屋にっ……充満してるのは……毒ガスかっ!?」

「ご名答、ケヒャヒャ」

少年がかすれた声で言うと

どこからか

声が聞こえてきた

「せいぜい苦しんで死ぬんだな」

声はそう言うと聞こえなくなった
< 32 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop