孤島の結束
「彩も殺されたって言うの?!」


 ひとみは大きく目を見開き、泣きながら言う。


「いや、俺は単純に彩は自殺なのかなぁって疑問に思っただけだよ」


 マジタニが答えると、双子のケンとマサが密室の話しを出してきた。


「彩が殺されたとしても、部屋は密室だったし、カギは一つしかない。犯人は何処から出たんだ? そう考えると、やっぱり自殺だよ」


 しめしめ。俺の作った密室トリック、バレてねぇみたいだな。

 さて、どうするかなぁ可奈子を殺す手間が省けたのはいいけど、クルーザーもないし、これはどういう事なんだ? もう一人の犯人はまさか皆殺しにする気じゃないだろうな?

 俺は殺されるのなんてまっぴらだぜ。殺される前に犯人を見つけ出して殺さなきゃいけねぇ。予定とは違うが仕方ない。

 話し合っていたが、時計を見るともう夕方だった。

 朝から何も食べてないし腹が減ったなぁと思っていると、


「タイ米、今日は夕食作らなくていいぞ。三人ずつグループを作って、順番に作った方がいい。毒なんて盛られたらたまんね〜からな」


 双子のケンとマサが提案した。

 そして身内はグルの可能性も考慮したのか、俺と双子の片割れのケンとひとみ、松島悟とマジタニと双子の片割れのマサの二つのグループを作った。

 そして今夜の夕食を作るのは、松島悟のグループに決まった。
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