孤島の結束
 俺はキッチンで洗い物を終え、フロアに出ると螺旋階段を上り、部屋へ向かった。

 すると二階の廊下に、俺と可奈子の間にある部屋に入っていく人影が見えた。

 誰だ? 確か二階は、順に松島夫婦、可奈子、可奈子の部屋と俺の部屋の間にある二つの部屋は空き室のはずだが?

 俺は試しに可奈子の部屋の隣のドアノブをそ〜っと回して開けようとしたが、カギがかかっていた。そして次の部屋のドアノブをそ〜っと回したら開いたのだ。室内を見たが誰も居ない。と言う事はカギがかかった部屋に犯人が潜んでいるのかもしれない! そう思った俺は急いで螺旋階段を上り、四階にある双子のケンとマサの部屋に行った。

 事情を説明し、一緒に二階に向かった。

 カギがかかった部屋のドアノブを回すと、すっと開いた。中には誰も居らず、犯人が隠れている形跡もなかった。


「何寝惚けてんだよ! 誰も居ないじゃないか! 念の為、一階の部屋も全部調べるか?」


 こうして三人で一階も探したが、大浴場には松島悟が一人湯船に浸かって居り、ビックリした顔をしていただけで不審な人物は見当たらなかった。

 そして、文句を言いながら双子のケンとマサは螺旋階段を上り部屋に戻って行った。
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