孤島の結束
 しばらくすると、気分転換に卓球でもしようと、松島悟が言い出し、四人で遊技場へ行った。

 そして松島悟とマサが卓球を始め、俺は少し離れた所からひとみと一緒に見ていた。

 これはチャンスだと思った俺は、


「ひとみちゃんと可奈子ちゃんが大浴場から部屋に戻った後、松島は部屋を出たりした?」


「えっ? 確か寝る前にお酒が飲みたくなったとかで、キッチンに行ったけど、どうして?」


 ひとみが眉をひそめて訊いてきた。

 俺が松島悟を疑ってる事に気付いたんだろう。


「いや、もし部屋を出たなら、その時怪しい人物でも見なかったかなと思って」


 俺はやんわりと返した。


「そっかぁ。ねぇ悟、可奈子が殺される前日、寝る前にお酒を取りに行った時、怪しい人物とか見なかった?」


 素直なひとみは、松島悟に質問した。


「あぁ、見なかったなぁ。見たら捕まえてるよ」


 卓球をする手を止め、松島悟は冷静に答えたつもりらしいが、俺には視点が定まっていない様に見えた。
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