孤島の結束
 どういう事だ? 昨夜は二人づつに分かれて見張りをしていたはずなのに……。俺とひとみが仮眠を取っている間、松島悟がマサの目を盗み、殺しに行ったっていうのか? 一体どうやって?

 松島悟は、俺とひとみを支えて螺旋階段を降りた。

 食堂に俺とひとみを座らせると、


「しばらくマサをそっとしといてやろう。仲のイイ双子だったんだ、悲しみも大きいだろう」


 よくいうぜ! 松島悟! お前が殺したくせに!

 俺は吐き気を押さえる様に、手で口を押さえながらそう思っていた。


「悟、昨夜マサと見張りしてたんでしょ? 怪しい人物とかいなかったの?」


 ひとみが松島悟を真っ直ぐ見据えて質問した。


「サロンのドアの前で立ってたけど、誰も居なかったよ」


 松島悟がうなだれながら答えた。

 ふんっ、どうせそれも芝居なんだろう? マサに訊けば分かるかもしれない。もしかしたら、マサの目を盗み、殺す事が可能だったかもしれないしな。後でマサが降りて来たら訊いてみよう。

 俺は、気付かれない様に松島悟を憎憎しい目で見ていた。
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