孤島の結束
ロックオン6
 俺は水を飲みに行く振りをしてキッチンへ行った。包丁の数を確認したかったのだ。

 やっぱり……包丁は残り一本になっていた。

 こりゃ隠すしかねぇな。いざという時、俺が使える様にゴミ箱の下に隠した。

 松島悟め、俺に全ての罪をなすりつけ皆殺しにする気だろう? 冗談じゃねぇ〜ぞ。返り討ちにしてやる。

 俺は何食わぬ顔で食堂に戻った。

 すると、松島悟しか居なかった為、俺は警戒しながら訊いた。


「ひとみちゃんは?」


「あぁ顔色が悪いから、サロンのソファーで休ませてる。食堂のドアを開けておけばサロンの扉が見えるし、もし怪しい人物が来てもすぐ行けるからな」


 松島悟は俺を見ずに、サロンの方向を見ながら答えた。

 何て奴だ、芝居なんかしやがって!

 次は俺を殺すつもりか? 俺は大丈夫だ。すぐ隣はキッチンだし、包丁は隠してある。

 警戒していたが、なかなか襲って来ない為、疲れてきた。

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