孤島の結束
 すると、松島悟は急に立ち上がり、


「マサの奴、まだ泣いているのか? 心配だから見てくるよ。ひとみの事見ててくれ。こっからならサロンの扉が見えるから」


 そう言って、自分の座ってた席を俺に譲り、四階に行ってしまった。

 何だか拍子抜けだなぁ。

 ギャーーーーーーーーー!!

 上から叫び声が聞こえた。

 俺は慌てて螺旋階段を上り四階に向かった。

 すぐ目に飛び込んできたのは、松島悟が背中を包丁で刺され死んでいる姿だった。

 その先には四階のドアの前に、双子のケンの上に折り重なる様にして、死んでいるマサがいた。何でだ? 松島悟は犯人じゃなかったのか?

 俺は気持ち悪くなったが、フラフラしながらサロンにいるひとみの所へ急いだ。

 サロンの前まで来ると勢いよく扉を開けた。

 するとソファの上で、ひとみは既に包丁で刺され死んでいる。

 全員殺された……。

 犯人はやはり外部犯だったっていうのか? 外部犯が居るなら、何処かにモーターボートか何かあるはずだ! 俺だけは生き残ってやる!

 そう思った俺は玄関に向かった。

 幸い厳重なロックのかかった玄関は、何故かすんなり開き外に出れた。

< 42 / 47 >

この作品をシェア

pagetop