孤島の結束
 一階には、四角い建物を縁取る様に大きな扉が五つあり、一つ目は食堂、二つ目はキッチン、食堂とキッチンは中で行き来が出来る作りになっていた。三つ目はサロンであり、大きなテーブルを囲む様にゆったりとしたソファーが置かれている。四つ目は遊技場になっており、ビリヤードと卓球の台が置かれ、部屋の端には丸いテーブルと、イスがいくつかあった。五つ目は大浴場とサウナだ。

 螺旋階段を上ると、二階を案内された。

 二階も一階と同じく五つの扉があり、ここは全て泊まり客用の部屋で、作りは五つとも同じである。部屋はどれも広く、ベットと備え付けのテーブルとイスがあり、風呂トイレは各部屋に完備されている。

 三階に行くと、二階と同じく五つの泊まり客用の部屋があった。

 四階は二つしか扉が無く、双子が使う部屋らしい。中では繋がっていて、行き来出来るようだ。外から見て想像した通り、窓が四階に一つしかなかった。やはり羽目殺しの窓である。

 ここは刑務所かよ。光の差し込まない独房か?

 上まで案内され、全員は食堂に通された。

 しかし、メイドも執事も居らず、誰が食事を用意するんだと思っていると、


「タイ米! キッチンに材料と作り方のファイルがあるから、作って来いよ!」


 双子が唐突にそう言った。


「早くしてよねぇ。こっちはお腹空いてるんだから、不味かったら、あんたが一人で食べなさいよ!」


 竹山彩が露骨に嫌な顔をして言った。

 ふざけんじゃね〜よ。俺に料理させるつもりで呼んだのか? まぁいい、こいつらの最後の晩餐になるかもしれねぇ〜し。

 俺は薄笑いを浮かべ、無言でキッチンに向かった。

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