トシへ

どうしてもっと早く気付けなかったのか・・・?



もっと早く気付いていればトシは助かったかもしれない・・・。



苦しまずに済んだかもしれない・・・。



後悔が涙となり、次々と流れる。



学校と言う事も忘れて・・・



トイレに駆け込み顔を冷たい水で洗う。




後2時間・・・




私は早く家に帰りたい気持ちを押し殺して5,6時間目を受けた。




授業が終わり教室を出て急いで家に向かう。



玄関のドアを閉めて靴を脱いで部屋に入りコートとマフラーをそこらへんに投げ捨てリビングに居るトシの元へ行く。




ケージのドアを開けて中に居るトシをそっと抱き上げる。



トシの身体は冷たく、硬くなっていた。




朝はあんなに柔らかかったのに・・・



トシを抱き締めていっぱい泣いた。




ごめんね



ごめんね




ごめんね





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